提灯にも使われている和紙を作る植物について

和紙の原料

現在、オリジナル・既製品問わず、提灯はビニール製の物が一般的であり、
和紙で作られる物は減少傾向にあります。

しかし一方で、提灯と言えば和紙!
そんな心意気をお持ちの方々もまだまだ多く、
オリジナルで制作される際、そこにこだわる人もいます。

ビニールの原料について化学式を交えつつ、
だらだらを話すのも面白いかと思いましたが、
今回は和紙の原料について、がっつりとご紹介します。

和紙の原料はなんで植物なの?そして植物がどうして和紙になるの?

和紙

ただの紙ではなく、和紙って言うぐらいだから、
大昔の日本で作られた紙だろうと思うかもしれませんが、
諸説色々とあり、日本で生まれたとする物と渡来してきたとする物があります。

ただ、正確な技術や植物選びについては
渡来してきたものが伝わったのかもしれませんが、
紙漉きの起こりは自然に生まれたと考えるのが妥当ではないでしょうか?

あくまでも私の意見ですが。

和紙は何故か植物で作られるの?

植物で作られる和紙は非常に優れた保存性があると知られ、柔らかさや丈夫さがあることも知られています。一方で洋紙は植物と木材パルプ、和紙と洋紙の大きな違いはこの原料にあります。

植物を使うと、パルプを使った物よりも繊維が長く、薄く引き伸ばしたとしても強い紙(和紙)となります

つまり、和紙は植物を原料にしているからこそ強く、
保存性がある紙として存在しています。

では次に、なぜ植物が和紙になるのか?
これはなかなか不思議なものです。

植物が和紙になる秘密は?

和紙を作る為には紙漉きを行いますが、これをやるまでに植物を洗ったり剥いだり、干したり煮たり叩いたりなど色々な工程があります。そして、そこまでやったからと言って、植物の繊維のみでは和紙にはなりません

最終的な紙漉きを行う前に、トロロと呼ばれる植物から取れた天然の粘りと水を繊維に混ぜる事により、原料だった物が和紙へと姿を変えて行きます。

つまり、和紙は植物の繊維だけではなく、粘り気と水により作られています。

植物でなければ和紙は作る事が出来ず、
植物の繊維に粘り気と水を混ぜ合わせることで和紙が作られます。

それでは実際に和紙の原料となる植物について、
いろいろと触れて行きましょう。

和紙原料の中でリーダー的存在!コウゾについて

コウゾを干したもの

コウゾはもっとも代表的な和紙原料の一つで、
他の植物で和紙を作る際には繋ぎにも使われます。

コウゾの特徴

日本各地で栽培されており、作り易い植物です。収穫量も多く、大切な繊維も豊富に取れる為、多くの和紙はコウゾで作られています

コウゾ和紙の使われ方

和紙で作られる製品であれば、ほぼコウゾ和紙が使われており、提灯はもちろん、障子や版画用紙など幅広く活用されています。

同じコウゾ和紙であっても
製作する場所により用途や出来上がりの色合いなどが
ハッキリと違っている特徴があります。

これが和紙の魅力であると言えます。

いつもお世話になっています!ミツマタについて

ミツマタの花

ミツマタもコウゾと同様に代表的な和紙原料の一つで、
やはり繊維が絡まりにくい植物の繋ぎに使われています。

ミツマタの特徴

江戸の頃から和紙の原料として使われている植物で、コウゾ同様に栽培しやすく、長く粘り気のある繊維が豊富に取れる良質な素材です。

ミツマタ和紙の使われ方

ミツマタ和紙と言えば、お札の原料となっている和紙です。他にも証券用紙や賞状など特別感のある紙を作る時に使われる原料と言えます。

ミツマタで作られた和紙を見ていると、
全般的に美しい仕上がりだと感心します。

お札に使われている事もあり、
普段から見て触っている和紙となります。

伝統的で重厚感がきらりと光る!ガンピについて

ガンピの和紙

ガンピは奈良時代から使われていますが、
はじめは和紙制作の主原料ではなかった珍しい原料です。

ガンピの特徴

栽培が出来ず生産量が少ないです。繊維が比較的短いガンピは単体では和紙制作に向きませんでしたが、トロロを加えることではじめて、主原料として使われるようになりました。

ガンピ和紙の使われ方

生産量の少ないガンピ和紙は、襖紙や日本画用紙、水うちわなど日本的な味わいを持った用途に活用されています。

雁皮紙は、手触りの良い紙を作る際に使われます。
それがこの植物の特徴であり、魅力となっています。

その他にもまだまだあるぞ!代表的な和紙素材について

林道

コウゾやミツマタ、そしてガンピ。
これらは和紙原料として、もっとも使用される物です。

もちろん、それには理由があり、繊維の長さや粘り気、
生産量や作業効率、そして仕上がりの良さなどが挙げられます。

これからご紹介する原料は、それ単体では無く、
コウゾやミツマタを混ぜる事により、はじめて使いやすい和紙が作れる原料です。

ものすごく堅い繊維をしてそうな竹も和紙の原料となります。生産量は少なく、制作時間も要します。

渡来してきた情報によって使われただろう原料です。現在は紙の質が良くないとされ、嫌煙されます。

北海道の幌加内町では笹で和紙を作ります。北海道は竹がない為、選ばれたのかもしれません。

糸芭蕉

沖縄で作られている芭蕉紙は糸芭蕉を原料としています。琉球芭蕉とも呼ばれており、果実は食用にもなります。

ケナフ

広がる砂漠化や森林伐採などの対策として注目される植物です。和紙よりも洋紙の原料として使われます。

アサ

古くから和紙の原料として使われていた植物ですが、作業効率からコウゾが広く使われるようになりました。

カジノキ

コウゾに近い植物で幅広く様々な物に使われる和紙です。提灯にも使用される親しみ易い原料です。

このほかにも、バナナや杉、ヒノキと言った植物などで紙は作られます。

なお根本的な問題として、どんな植物であっても和紙を制作する事は可能です。

稲

しかし原料として紹介した植物の中でも、
提灯の紙として使用出来る物、出来ない物があるように、
どんな植物であっても、使いやすい紙を作る事が出来るか?と言えば難しいです。

今回は提灯に使われる和紙を作る植物について
お送りしてまいりました。

オリジナル提灯を作成する際、ココに使われている和紙は・・・と、
原料である植物を思い浮かべるのも一興かと思います。

提灯工場

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ご覧の記事  提灯にも使われている和紙を作る植物についてでした。