店舗に設置している提灯が古くなったから捨てようと思った時、お盆に使ったちょうちんを捨てようと思った時、どうすればいいのか?
今回は提灯を構成している素材のことを考えつつ、正しい提灯の捨て方をご紹介していきます。
提灯を構成している素材を挙げていく!
まず、真っ先に重要となるのは、提灯を構成している素材を知ることです。
全部燃えるゴミ!
と大胆な処理が出来るほど、現代の提灯は単純ではなかったりします。だからこそ、まずは素材を知っておく必要があります。
なお、各素材のチェック方法についても付け加えておきます。
火袋の材質
提灯のメイン部分である火袋は、ビニールが主流です。昔は和紙が基本でしたが、時代とともに変化してきました。
したがって燃えるゴミ、資源ごみのどちらかに分けることができます。
稀に火袋が、FRP(繊維強化プラスチック)で制作された提灯も存在します。
FRPはプラスチック素材に、ガラス繊維が混入されている物なので、自治体により処分方法が様々です。
ただし素材としては、浴槽などに使用されている物なので、自治体に問い合わせる時は、『FRP製の提灯』、もしくは『浴槽の素材で制作されている提灯』とお尋ね下さい。
なお、FRP素材は行政側では処分が出来ない場合が多いと聞きます。その場合、自治体側が処分業者を紹介してくれると思います。
- 和紙のチェック方法
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水に濡らすと染み込む物は和紙。また、油引きが施してある場合は、若干ですが飴色の様な変色が見られます。
- ビニールのチェック方法
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水で濡らす、指で突くなどで分かります。
- FRPのチェック方法
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デコピンなどでコツコツ叩くと分かります。
骨の材質
提灯に使われている骨は概ね、竹ひごです。これはビニールでも、和紙でも同様です。最近は針金やスチールで作られる物もありますが、これらは耐久性が高く、長期間使用できる素材です。
盆提灯も竹ひごが使われていることが多く、店舗装飾も当然、竹ひごが多くなっています。
処分方法は燃えるゴミが基本ですが、ビニールの火袋が付いている場合は、出来る限り分離しましょう。鉄製の骨を使っている場合は、きちんと燃えないゴミとして処分しましょう。
なお、竹ひごも大きい物になると、捨てにくいと感じるかもしれません。この場合は切断するなりして、細かくしましょう。ただし、竹ひごは人間の手に刺さりやすいので、軍手やゴム手袋などを使用しましょう。
- 竹ひごのチェック
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目視確認で分かります。
- スチール・針金のチェック
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触ってみれば分かります。竹よりも丈夫です。
重化の材質
提灯の上下に付いた黒い輪っかです。これを重化と呼びますが、この材質は様々です。
もっとも多いのが、竹や木です。盆提灯など高価な物に関しては、金属が使用されている可能性がございます。
なお重化は、内側と外側、2つの素材を組み合わせている可能性があります。
この場合は、簡単なチェックでご確認下さい。
- 竹・木のチェック
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どちらも見た目で確認できます。
- 金属のチェック
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こちらは叩けば分かります。当然の事ですが、竹・木よりも堅く、重さもあります。
その他の部位の材質
提灯を構成する部位は、火袋・骨・重化以外にも様々なございます。例えば、取っ手の部分。弓張りなどで多く使用されていますが、この部位は外側を鉄製で、内側を竹製にしている事が多くございます。
その為、捨てる前にチェックしてから捨てる様にして頂ければ幸いです。
弦は弓を引っ掛ける時に使用する物で、こちらは概ねスチール製の物です。その為、捨てる時は燃やせないゴミとなります。
もちろん自治体によっては、廃品回収などで受け付けていることもあると思いますので、そこは柔軟にご対応下さい。
基本的な盆提灯を構成する部位として、『手』と呼ばれる移動の際、手で持つ部位など多くの部位が木製であることが多いので、燃えないゴミ扱いで処分して頂けます。
ここまでお読み頂ければお分かりかと思いますが、提灯を構成してる部位の多くは、燃やせるものです。
これは特に盆提灯など、伝統的な姿を今に残す物は木や竹をベースに作られている物が多いです。
また、上丸カンや鎖、上皿など金属が使われている部分も限定されているので、その点は目で確認して頂ければ対応出来ると思います。
提灯を捨てる際に難しい点はある?
いらなくなった提灯を処分する際、面倒だったり、難しいと感じる部分は、火袋と骨ではないでしょうか。
それはイコール、しっかりと糊付けされている証明でもありますが、これが実にやっかいです。
特にビニール。
捨てる際は、分離させて捨てなければなりません。では、どうやったら簡単に分離できるのか?
力任せに引っ張ると、運が良ければすんなりと剥がれますが、竹が折れて、逆にビニールの方にくっつくかもしれません。
とは言え、引っ張って剥がすしかないので、力加減を考えて、引っ張ってみて下さい。意外と簡単に分離する事ができるでしょう。
その他、盆提灯に関して言えば、作法などの関係が出てくるでしょう。何処でも捨てていい代物なのかどうか、この点に迷われるかもしれません。
お寺さんや葬儀屋さんに直接尋ねるのが正解といえば正解ですが、そんな時間もない場合は、送り火の際に一緒に燃やせる物は燃やしてしまいましょう。
これがもっとも手軽で、粗相のない処分方法です。
もちろん、お寺さんにお任せするのも正解ですし、自治体がお盆用品を回収している場合は、そのタイミングで渡すのも良いでしょう。
燃えるゴミとして処分するのは、現実問題として正しいかもしれませんが、何処か精神的な問題で判断が難しいです。
だからこそ、適切な方法を選んで盆提灯を処分しましょう。
提灯を捨てた後はどうしたらいいの?
最後になりますが、提灯を捨てた後のことについても触れておきましょう。
店舗の宣伝用や装飾用として使用している場合は、すぐにでも新しい提灯を用意したいと思いますが、もし壊れたことが捨てた原因であるならば、どんな理由で壊れたのか? の問題を先に解決してから新しい物をお買い求めになるべきでしょう。
仮にお客様に壊されたのであれば、その対策をしっかりとしなければなりませんし、風雨により壊れたのであれば、屋外の設置は控えるべきかもしれません。
状況をしっかりと精査して、新しい提灯を作ることは、壊れにくい、長持ちすると言うことに繋がります。
なお、当店は提灯のオリジナル制作を承っている専門店です。
その為、様々な状況に適したオリジナル提灯の制作を行っております。
屋外に設置可能な提灯、屋内用の物、さらには非常に丈夫な物など、状況に合わせてオリジナル制作致します。
盆提灯はどうすべきか?
盆提灯に関しては、翌年のこととなりますので、次のお盆を迎える前に購入することをオススメします。
なぜならば意外と盆提灯はかさばります。保管方法を間違ってしまいますと、ダメになる可能性も。
こうしたことを控える上で、翌年のお盆を迎える遅くても3ヶ月前から、ご用意しておけば間違いないでしょう。
なお、初盆以外では提灯を飾らない家もございます。この辺は地域のルールであったり、宗派や家系のルールなどで変わってきますから、ご親族によくご相談いただき、判断して頂ければ幸いです。