行燈・太夫・馬上・龕灯!これすべて手持ち提灯の名前です!

今はなき提灯

昔は今の様に電気がなく、電灯がなかった為、夜になると闇夜が訪れていました。今でこそ大都市で無くても街灯があり、ぼんやりとした灯りがある事を考えると、短時間で時代が進歩した事実を思い知らされます。

電灯がなかった時代は火の文化であり、その様相も時代と共に変化してきました。

焚き火だったのが松明となり、松明から提灯になる・・・ただ燃え盛る炎を持っていた人類が炎をコントロールして、器の中に閉じ込めた。これは凄いことですね。

今でこそ装飾としての意味合いが強くなった提灯の灯りは、電灯が使われている場合がほとんどです。

しかし、提灯がまだ照明として大活躍していた事、今では見なくなった変わり種が色々あったようで・・・今回はそこにスポットを当ててみました。

これを持って歩くのは骨が折れる・・・行燈

行燈

提灯が誕生する前や普及する前、夜道を歩く際には行燈を手に持って歩いていたとか。

行燈はあくまでも据え置き用なので、持ち手があるわけではなく、抱える様にして歩いていたようです。

とは言え、庶民がそれをやっていたのか?と言えば、そんなことはなく、それなりに社会的ステータスのある人たちがお付きの者を従えて・・・って感じみたいです。

時代は変わっても行燈の形状は代わりませんし、今と比べれば大きかったでしょうし、木だって重かったかもしれません。

そんな風に色々と考えると、ものすごく大変なんじゃ??と思いました。ご褒美と言うか、お駄賃みたいな物はもらえたんでしょうか?気になります。

これは艶やかだったかも・・・太夫提灯

太夫提灯

正式(?)には、ぶら提灯と呼ばれていたとか。

ただ、太夫さんたちが愛用して為に太夫提灯とも呼ばれていたとされます。江戸時代には生きていないので、どちらが正式なのかは分かりません。もしかしたら他にも呼び名があったのかもしれませんしね。

太夫提灯は今で言う所の小田原型の様な形をしており、上の重化を下の重化にかぶせて、お弁当箱の様な形状に折りたたむことが出来ました

折りたたむことで携帯し易いのはメリットなんですが、この太夫提灯は大きいんです!

だから、いつも付き人さんが先導役となり、提灯を掲げて歩いたとか。太夫さんですから、その方が見栄えもいいですし、宣伝にもなりますからね。きっと華があったことでしょう。

その頃から、もっと軽量化出来なかったものか?思わず考えてしまいました。

まるでニンジンみたいだ・・・馬上提灯

馬上提灯

江戸時代の交通手段と言えば、籠か馬かと限られています。馬上提灯は文字通り馬の上で使われました

持ち手のついた弓張り型の方が楽なのでは?と思いますが、馬の上で使う事を計算して作られたものだったようです。

例えば、クッション性

馬上提灯は火箸の様な棒を使い、吊り下げながら活用されていましたが、火箸は2つのパーツで構成されており、持ち手から5分の3ぐらいまでは木で、残りの5分の2ぐらいを弾力性のある、クジラの骨が使わていました。

なお、弓張り型ではない理由は、馬上で手綱を両手で握る為なんだそうです。

今のように馬具も発達していないでしょうから、きちんと馬を制御する為には必要な手段だったのでしょう。

じゃあ、どの様に馬上提灯は使われていたのかと言えば、腰に差していました。果たして馬は明るいと感じていたのか、逆に340度ほどある馬の視野を考えると、後ろから光が追い立ててきて怖かったのでは?と思ってしまいます。

ちょっとこれは欲しいか・・・龕灯(がんどう)

龕灯(がんどう)

正直言って聞きなれないし、見慣れない提灯の一つと言えます。どの様なものなのかと言えば、懐中電灯の様な物のようです。

つまりは明確な照射角が存在して、対象物へ向けて光(火の灯り)を放つ形となった提灯でした。

でも、どんな仕組みの提灯なんだ?と疑問に思いませんか?私は思いました。

こんな感じでローソクを支えて、どんな状態でも炎が上を向く仕様になっています。

龕灯(がんどう)の仕組み

どうですか?面白くないですか?

時代劇を見ていると、盗賊団が時折、この龕灯を使っている姿を目にできます。

懐中電灯が生まれる前に、この発想をしたことに敬意を表したい!誰が作ったのかは分かりませんけど・・・。

色々な提灯のまとめ

今回は江戸の頃には確かにあった提灯の仲間をご紹介してきました。

ここまでまとめてきて思ったのですが、この時代の提灯の火は、何を原料に灯していたのでしょうか?

もちろん、ローソクがもっとも活用された燃料である事は想像できますが、それだったのでしょうか?

気になりませんか?実はもう調べています。が、続きは次回!

提灯工場

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