毎年3月3日、女の子の健やかな成長を願って行われるひな祭りこと、桃の節句。
この時期になると、街のいたる所でも装飾に春らしい物が取り入れられるようになり、気分も軽やかになって来ますよね。
また、この時期になると、桜の開花宣言も気になる所。
お雛様と花見、この2つに共通するのは可愛らしい華やかさと賑やかな美しさ、そして、ぼんぼりではないでしょうか。
ところでこの「ぼんぼり」とは、一体なんなのか?ご存知ですか?
そこで今回、提灯工場が贈るのは、ぼんぼりについてのこと。それをたっぷりとお伝えします!
ぼんぼりとは?3月3日のひな祭りやお花見に使われるあの子の正体!
ぼんぼりとは、漢字で書くと雪洞(ぼんぼり)となるコンパクトサイズの行灯になります。
それだけではいまいち、ぼんぼりのことが見えてきませんが、噛み砕くと見えてきます。
- ぼんぼりの形状は?
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下座の台座を長柄で支えるロウソク立てであり、灯された明かりを紙や絹などで覆った灯具です。
- ぼんぼりの意味は?
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ぼんぼりとは江戸時代、「ぼんやりとしていて、はっきりしないさま」、「物が薄く透いていて、ぼんやりと見えるさま」を表す言葉でした。
- ぼんぼりの漢字は?
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ぼんぼりは雪洞と書きます。これは「せっとう」とも読みます。
雪洞は、茶道具の一つである茶の湯を沸かす風炉の蓋であり、これをぼんぼりと呼びます。
以上のことから、ぼんぼりとは形状から、意味から、そして漢字からと、それぞれ別々の成り立ちがあることが分かります。
現在、ひな祭りで使われるのは、形状と意味から表されたぼんぼりです。
お花見で使われるぼんぼりは、意味や行灯としての形から派生した物である事が分かります。
ぼんぼりとちょうちんの違いってなに?決定的に違う部分は?
ぼんぼりと提灯の大きな違いは、形状や構造です。見た目がまず大きく違います。
- 提灯とぼんぼりは形状や構造が違う
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ひな祭りで使われるぼんぼりであれば、それは一目瞭然です。また、お花見などで使われる物は、六角形の形状をしていることから、これも一般的な提灯とは違います。
ひな祭りのぼんぼりは、構造も通常のちょうちんとは違います。
一般的な提灯は、下げて使う物なので、下から支えられるぼんぼりとは違います。
- 使われ方にも違いがある
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使われ方にも違いがあります。1年を通じて吊るされたり、手持ちだったり、季節限定で吊るされたりと。基本的にぼんぼりは、ある一定の時期にか使用されません。
- 手持ちぼんぼりの姿を見られる場所
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石川県金沢市の湯涌温泉で2011年から行われているぼんぼり祭りでは、手持ちぼんぼりの姿を見ることができます。
ぼんぼりと提灯は似ている様で、違う所も多いことが分かりました。
ぼんぼりと行灯の大きな違いってなんだろう?
ぼんぼりはコンパクトサイズの行灯です。そのため、大きな違いはありません。
と言うのも、行灯が表している照明器具の範囲が広いため、ぼんぼりも行灯の一つとなります。
- 行灯とは?
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行灯は本来、持ち運ぶ物でしたが、室内に置かれる物、壁に引っ掛けて使われる物、台座の上に置かれる物など様々な照明器具を総じて表します。
- 提灯と行灯の関係
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あんどんは漢字で書くと、行く灯であり、持ち歩き用だったことが分かります。
しかし携帯用として、ちょうちんが出現したため、行灯はその漢字だけを残して、持ち運び用としての役目は終わり、据え置き用の灯りとして使われるようになった経緯があります。
携帯用の灯りが提灯となったことをキッカケとして、主に室内で据え置かれる様になった行灯は、様々な形で使われるようになりました。
行灯の使われ方の一つがぼんぼりであるため、両者に大きな違いがないと言う結論になります。
ぼんぼりが持つ魅力にふれて
今回は、提灯と雪洞、そして行灯の関係性について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか?
春になると、華やかなにぼんぼりが、桜を花々を灯す風景を見ることがあると思います。そんな時、今回のお話を思い返して頂けると嬉しく思います。